fiddling, writing

へっぽこフィドル弾きceadの落書き帖です。

Since 2008.01.11, Last updated on 2011.06.16

violinではなくfiddleに興味を持つような人はみんな知ってるだろう、と思ってたのですがフィドル仲間も意外に(!)知らなかったのでネタにしてみます。
stroh fiddle、violinphone、phonofiddleなどいろいろな呼び方があるようですが、どれも心当たりがない方はまずはWikipediaにアップロードされている写真をご覧ください。

1899年にドイツ人のJohannes Matthias Augustus Strohが特許を取得した新しい楽器で、一度見たら忘れられない、インパクトあふれる構造です。その名のとおりバイオリンの一種ですが、共鳴胴の代わりに金属製のレゾネーターとラッパを取り付けることで音量を増幅しています。ラッパは大小2つ付いていますが、小さいほうは演奏者の方を向いており、モニタ・スピーカーの役割を果たします(大きいのが1つついているだけのものもあります)。それだけ音の指向性が強いということでしょう。ざっと調べてみたところではラッパはブラス(真鍮)かアルミが主流で、材質によって重量や音色に特色が出るようです。ブラスのモデルは2kg強とかなりの重量級で暗く渋い音色、アルミのモデルは1kg強と比較的軽量で音色が明るく、音量も大きくなります。ちなみにバイオリンは重くてもせいぜい500g、付属品一式とともに軽量のケースに入れてようやく2kg程度。ブラス、アルミのどちらにしても、かなり重い楽器です。

見た目勝負のキワモノかと思いきや、音量の大きさからレコード産業の勃興機に録音スタジオで重宝されたと、モノの本で読んだことがあります(Wikipediaにも同様の記述があります)。ただ、マイクの性能がよくなった1920年代後半には早くも姿を消していったということで、ニッチな楽器でもあったようです。楽器の図鑑にはよく収録されていることから "おいしい楽器" と思う人が多いのだと理解していますが、実物を目にする機会は少ないのではないでしょうか。

私は一度だけ楽器店で実物を触ったことがあります。おそらくアルミの軽量なモデルでしたが、それでもずしりと重い上にバランスが悪く、構え方も弾き方もバイオリンとはまったく別物だと思って工夫する必要があると感じました。残念ながらレストア前の中古品で弦がぼろぼろだったため、構えてみただけで試奏はしていません。後日の楽しみにと思っていたのですが、次に遊びに行ったときには売れてしまった後でした。けっこう前のことなのですが、いまだに悔やまれます。

最近ふと思いついてYoutubeで検索してみたところ、けっこう動画が出てきました。リバイバルの動きがあるのか、マニアを甘く見てはいけないということなのか、さて、どちらでしょう。

音源 etc.

Polske on stroh violin
Swedishの演奏です。
少しざらりとした感じの、味のある音色が魅力です。

Seige of Ennis - Stroh Violin & Spoons
Polske on stroh violinと同じプレイヤーですが、こちらはIrishの演奏。

外部リンク

Stroh Violin
stroh violinを販売しているオンライン・ショップ。写真やサンプル音源もあります。

STROH VIOLIN - Elderly InstrumentsElderly Instrumentsより)
同じくオンライン・ショップ。サンプル音源はありませんが、写真が充実しています。

Lark in the Morning
マニアックな楽器をいろいろ扱っているオンラインショップで、上記2サイトとは少し趣の違うマシンヘッド(歯車式ペグ)のモデルを扱っています。マシンヘッド、ラッパの形状、駒周辺のつくり、本体の塗装といった特徴から、私が触ったことがあるのはここで扱っているアルミのモデルと同じものだったのではないかという気がします。

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